こんにちは。うりぼうです。
暑い日が続きますが、水分はたくさん摂っていますか?
いくら飲んでも汗でどんどん出て行ってしまいますよね。
今は、山を歩くときは、冬場でも意識して水分を摂るようにしています。
とはいえ、水って重いんですよね。
そして、トイレの問題も出てきます。
今日は、奥多摩の高水三山を真夏に歩いた時の話です。
奥多摩、高水三山(たかみずさんざん)へ
「高水三山」は、その名の通り3つの山をまわる歩き方をするのでその名前がついています。
3つの山の名前は「高水山(たかみずさん)」、「岩茸石山(いわたけいしやま)」、「惣岳山(そうがくさん)」といいます。
山頂の標高はそれぞれ、759m、793m、756mとなっており、縦走することでアップダウンも何度か楽しめます。
全部の山をまわっても4時間弱で歩くことができ、JRの駅からのアクセスもわかりやすいので、奥多摩初心者にとても人気のあるコースです。
起点をJR軍畑(いくさばた)駅に決め、電車で現地へ。
無人の改札を抜けると、公衆トイレがありました。
長野の山に行ったときにトイレを我慢しすぎて膀胱炎になってしまったことのある私は、トイレを見たら行きたくなくても行く、という習慣が身についてしまいました。
まあ、山の中へ入ってしまうと本当にトイレに巡り合うことが少なくなるので、とくに女性は、行けるときには行っておくと安心できます。
同じ電車で降りた数人の登山姿の客は、先に歩き始めたようです。
まずは登山口まで車道歩きです。
それにしても、暑い…。
短めのコースであることと、早すぎると野生動物に遭遇するリスクが上がることを考えて、いつもより少し遅く出てきたのですが、とはいえまだ7時過ぎです。
車道は早くも夏の強い日差しに照らされ、アスファルトがその日差しを照り返し、ムッとする空気が全身にまとわりつきます。
少しだけ水を飲みつつ、登山口にたどり着きました。
山道も暑い
ようやくアスファルトを離れ、森の中へ。
木々の作る日陰にほっとします。
でも…やっぱり暑い。
森の中は少し湿り気があり、それが夏の朝日に暖められて、まるでサウナです。
(やっぱり標高が低いと涼しさは感じられないか…)
少しがっかりしましたが、たまには汗をかいて体の中をきれいにするのも悪くない、と思い直しました。
軍畑駅からの最初の山は、高水山(たかみずさん)です。
高水山には常福院というお寺があり、裏手にはトイレもあります。
ここですかさずトイレへ。
水を飲む量をなんとなくセーブしていたので、別に行かなくてもいいかな、とも思っていたんですが、一応。
トイレを済ませて少し歩くと、高水山の山頂へ到着です。
まだこの先2つの山が控えているので、少しだけ景色を眺めたらすぐに歩きだします。
山歩きというわりとハードな運動をしていることもあり、呼吸するだけでも不快な暑さです。
せっかく久しぶりに山に来たにも関わらず、頭の中は帰宅後のエアコンとアイスのことでいっぱいでした。
(奮発してハーゲンダッツを買うか…それともキーンと冷たいガリガリ君にするか…)
心は一足先にアイス売り場の前にいます。
それでも目の前の現実にはサウナのような森が続いています。
また少しだけ水を飲みつつ、修行僧のように黙々と歩きます。
水、少なかったかな…
4時間ほどの山歩きなので、トイレが少ないことも考えて、この日は持って歩く水の量をいつもの半分以下にしていました。
500mのペットボトルが二本だけです
いつもなら、コーヒーを沸かしたりカップ麺を食べたりするために、多めに持って歩いています。
駅から駅への縦走なので、駅前に自動販売機くらいあるだろう、と考えていたのです。
しかし、最初に下りた軍畑駅では結局なにも買いませんでした。
まだ手付かずの水を持っているという余裕から、足りなかったら帰りの駅で買えばいいや、くらいにしか思いませんでした。
なによりも、荷物が少しでも軽いのはうれしいことなのです。
少しの時間ならさほど気になることでもないのですが、山を歩くと数時間はその荷物を運び続けなければなりません。
水の重さは、なかなか肩にずっしりとくるのです。
しかしながら、4時間とはいえ、真夏の湿度の高い森の中です。
平地はおそらく35℃前後になっていることから計算しても、30℃近くまでは上がっていることになります。
そんな中で運動し続けていればどうしたって汗をかき続けるので、その分水分を補給しなければなりません。
ちびちびと飲んでいた水も、気づいたら半分以下になっています。
(失敗したなぁ…早く歩いて駅についたら飲み物を買おう)
体が疲れてきたのか、なぜかこんな暑い中で眠気が出てきました。
しかしこんな山の中で寝るわけにはいかないので、あくびをたくさんしながら歩き続けます。
御嶽駅へ到着
ふらふらしながら山を下り、もうろうとする意識の中でセブンイレブンを見つけます。
最後の下りあたりから頭痛が始まりましたが、頭痛薬を飲もうにも水はとっくに飲み干してしまっていました。
セブンイレブンに入って、スポーツドリンクを買います。
外にはベンチとテーブルがありました。
頭痛に顔を歪めながら、ザックごとどさっと座り込みます。
スポーツドリンクで頭痛薬を流し込み、少し目を閉じました。
どうにかして家まで帰らなければ。
早く、暗くて涼しい場所で横にならないと。
家までは早くても1時間半くらいかかります。
吐き気も出てきていたので、いかにそれをごまかしながら電車の中の時間をやり過ごすか、を考えていました。
無理やり目を開けて、すばやくスマホを操作して最短で帰れるルートを検索します。
よたよたと駅へ移動し、電車に乗り込みます。
帰宅
頭痛薬を飲んでから1時間以上経ちましたが、頭痛は消えるどころかどんどん強くなります。
コンクリートブロックで何度も頭を打ち付けられているようです。
吐いてしまいたいのですが、吐くようなものもお腹に入っていません。
(だいじょうぶ…だいじょうぶ…もう少しで家につく…)
念仏のように何度も心の中で唱えます。
乗り換えの駅に着き、真夏の昼の日差しを恨めしく思いながら炎天下を少しだけ歩きます。
家の最寄り駅に着いたときには、一刻の猶予もない状態でした。
こんな平日の真昼間から、いかにも山へ行ってきました!といういでたちの人間が路上で吐き散らかすなんて、できっこありません。
健康なのか不健康なのかわからないです。
ついに家に着き、エアコンを強風にしてしばらくそのまま当たります。
ふと、鏡を見てびっくりしました。
顔が真っ赤に
自分の真っ赤な顔におどろいて思わずさわると、ものすごく熱くなっています。
日焼けのように表面が熱いのではなく、なにかこう、奥の方から熱が出ている感覚がありました。
エアコンでは間に合わない、と思い、お風呂場へ。
シャワーを低温にして頭からかぶりました。
それからどのくらいシャワーの中にいたのか記憶が定かではありませんが、少なくとも1時間以上は経っていました。
吐き気がおさまってきたので、シャワーから出てみましたが、頭痛は続きます。
保冷枕や小さな保冷剤をたくさん持ってベッドに倒れこみます。
(血管…)
もうろうとした意識の中で、保冷剤を当てる場所を思い出します。
首には保冷枕を当て、小さな保冷剤はわきの下と鼠径部に当てます。
頭痛のつらさが取れないので、おでこにも当てていました。
そのまま眠ってしまったのか、気絶したのかわかりませんが、気がついたら夜になっていました。
うっすらと頭痛が残っていましたが、動ける程度にはよくなっていました。
キッチンまで行き、水を飲みます。
食欲はありませんが、なにかカロリーのあるものを摂るように、と体から言われている気がしました。
楽しみにしていたアイスを買いに行くほどの気力はありません。
冷凍庫を開けると、数日前に買ったスーパーカップバニラ味が入っていました。
数日前の自分に感謝して、そのアイスを食べました。
熱中症
今考えれば、熱中症になるためのいろいろな条件を満たしてしまっていました。
- 仕事で遅く帰ってきてからの早起き(睡眠不足、疲労蓄積)
- トイレのことを気にしすぎて水分補給をセーブしてしまった
- 高気温・高湿度の中できつめの運動
こんな条件が揃っていれば、誰でも熱中症になってしまいますよね。
バターンと倒れなければ熱中症ではない、と思っている方もいるかもしれませんが、倒れるほどになるまでの熱中症は、命の危険もある重篤な状態です。
そんなことになったら、近くに人がいなければ本当に死んでしまうでしょう。
倒れなくても、意識がもうろうとしたり、吐き気や頭痛が出始めた時点でかなり熱中症が進行していると思ってよいようです。
そして、熱中症は別に今回のように屋外で運動をしなければならない、というわけでもないのです。
お恥ずかしい話ですが、エアコンがない家に住んでいたころに、やはり同じような症状になったことがあります。
夜勤明けで、38℃の部屋で数時間寝てしまったのです。
たまたま友人からの電話で起きたのですが、自分の体温も38℃になっていて、今回と同じようにものすごい頭痛と吐き気で苦しみました。
あのまま目が覚めなければ本当に死んでいたのではないかと思います。
電話をくれた友人は、めちゃくちゃ暇だったから、とのことでした。普段はめったに電話なんて来ない人だったのですが。
そしてさらに幸運なことに、その友人のお母さんは看護師さんでした。
その場ですぐにお母さんに聞いてくれて、保冷剤で体を効果的にすばやく冷やすための場所を教えてくれたのです。
その時に、「大きな血管が通っているところ」と教えてもらったことが、今回また役に立ちました。
今回の教訓は
- 水分はのどが渇く前に
- 暑さの中で無理な運動はしない
- 夏は保冷剤とアイスを冷凍庫に
です。
客観的に自分の状態を見ることも大切だなぁ、と思いました。
あとから冷静に考えればわかったように、自分の体や心の状態がどのような状態であるかを、他人ごとのように眺めてみるくせをつけるとよいかもしれませんね。
とくに、山を歩くときには自分だけが頼りになるので、見栄やはったりなどが通用しません。
自分で自分に嘘はつけませんから。
ここまではできる、これ以上は今の自分の力では危ないということを、客観的に判断できるようにありたいものです。
過大評価も過小評価もせず、等身大の自分に合った山歩きをしようと思います。
食べてしまったアイスは、後日買い足しておきました。
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