こんにちは。うりぼうです。
長い夏が終わり、ようやく秋めいてきましたね。
今日は、最近ニュースでもよく見かける、登山中に遭遇する可能性もあるクマの話を。
山にいるクマって?
動物園でクマを見たことがあるかもしれませんが、クマは大きな体と強い力を持つ獣です。
自然界には天敵がいないそうです。
童話や童謡にはのんびりしていてかわいらしいキャラクターとして描かれていることもありますが、実物のクマはそれらとはだいぶかけ離れた風貌と運動能力を持っています。
日本に生息しているクマは、2種類ということです。
生息している種類は地域によって分かれており、北海道ではヒグマ、本州以南ではツキノワグマが生息しています。
ヒグマは雑食ですが、人間を食べてしまうこともあり、過去に凄惨な事件も起きています。
私はまだ経験がありませんが、いつか北海道の山に登る時にはそのことをまた記事にしたいと思います。
今回は、本州、四国などにに生息しているというツキノワグマについて、調べてみました。
秋はクマとの遭遇率アップの時期
クマは、冬眠をする動物です。
地域によって少しずつ時期がズレるのですが、だいたい11月末くらいから3月末くらいまでは巣穴にこもって寝て過ごします。
冬眠中の体力を蓄えるために、秋に大量の食糧を摂ります。
主にどんぐりなど木の実や、山草などを食べます。
行動範囲はオスで平均100平方キロメートル、メスで40平方キロメートルと言われていますが、どんぐりなどが不作の年は、メスでも100平方キロメートルの範囲を移動することがわかっているそうです。
2023年のツキノワグマ出没数は過去最多
今年、2023年は、過去最多のペースで現在もツキノワグマの目撃情報や被害のニュースが流れています。
9月の時点で、国が統計を取り始めて以降最悪だった2020年の同じ時期を上回る被害報告が上がっています。
10月に入ってからは死者も出ており、登山をする身としては決して他人事とは思えません。
ちなみに東京都にもツキノワグマは生息しているのですが、今年はまだ去年の報告件数より少し少ないとのことです。
が、いることに変わりはありません。
では、実際に登山に行くときにはどのような準備をしたらよいか、万が一遭遇してしまった場合にはどのような対応をしたらよいのでしょうか。
ツキノワグマ対策(準備・装備)
私は平日に一人で登山することも多いのですが、登山を始めたばかりの頃に謎の黒い大きな生き物を見たことがあります。
それにかなり驚き、軽装の自分を猛反省し、まず最初に買ったのが登山靴と熊鈴でした。
熊鈴は登山用品店に行くと必ず置いてありますので、好きな音色のものを選んでください。
クマは基本的に憶病で、人間のことも怖がっているそうです。
なので、先に「人間が通りますよ」と知らせる意味で、鈴を鳴らしながら歩きます。
鈴ではなく、ラジオを鳴らしながら歩いている登山者もいます。
一人ではなく、複数人での登山時にはおしゃべりするだけでクマの耳には人間の声が届くはずなので、おしゃべりをして歩くのもよいかもしれません。
私は、鈴を鳴らしていてもなんとなく不安になった時には、手を叩いたり、たまに一人で「わー」と声を出してみたりすることもあります。
そこにほかの登山者が現れたりすると、変わったやつがいるな、という目で見られますが、クマに遭遇するよりはずっとマシです。
さらに、クマ撃退スプレーという、カプサイシンが主原料のスプレーも売っていますが、こちらは使い方を誤ると自分自身が行動不能に陥る可能性もありますので、購入は十分考えてからにしましょう。
噴射距離も5m前後のものが多く、クマを十分に引き付けてからでないと効果を出せません。
また、風向きによって自分の目や鼻などに入った場合、おそらく目を開けていられないほどの激痛かと思います。
その後の回避行動にも支障が出かねないので、その辺も考慮して自己責任での購入をお願いします。
装備品以外にも、事前に準備できることとしては、自分が行く山域のクマ出没情報をチェックすることです。
都道府県ごとにクマ目撃情報をまとめて発表しているサイトがありますので、自分が歩く予定の地域の最新情報を調べておきましょう。
最近の出没が多いような場所は避けることも、クマ遭遇の確率を下げるためには有効です。
こちらから行かなければ遭うこともありませんからね。
もし熊に出遭ってしまったら
鈴を鳴らしたり、手を叩いたりしながら歩いていたとしても、沢沿いで水の音にかき消されてしまったり、登山道があちらこちらへ曲がっているような場所だと音が通りづらくなります。
クマとの遭遇は、そのような場所で起こりやすいようです。
歩きながら、周囲の状況に注意しておきましょう。
獣のにおいや音、木の傷、道にフンなどが落ちている場合もあるので、進むのは危険と感じたら引き返す勇気も持っていてください。
これはクマの爪痕がついた木です。深くて間隔の広い爪痕に、クマがどれだけ大きな前足と鋭い爪を持っているかが想像できますね。
では、運悪くクマと鉢合わせてしまったらどうしますか?
想像するだけで足がすくみそうですが、ここで対処法をきちんと覚えて、いざというときにうまく行動できるようにしておきましょう。
まずは、クマと目を合わさないように、しかしクマから目を逸らさずに、静かに後ずさりします。
背中を向けたり、走ったりすると追いかける習性があるので、体の正面はクマに向けたままにします。
クマは時速40キロで走るとのことなので、走って逃げたところで人間の足では一瞬で追いつかれるということを頭に入れておきましょう。
後ずさりしているときに、もしクマが立ち上がっても、それは威嚇行動です。
クマも怖がっているからこその行動なので、そのまま後ずさりを続けます。
クマの方も、こちらと十分に距離が取れると逃げます。
それでは、距離が取れなかった場合はどうしましょう?
見通しの悪い登山道を曲がった先で遭遇、など、運悪く至近距離で遭遇してしまうパターンもなくはありません。
そんな場合には、クマが驚いていきなり攻撃をしてくることはおおいに考えられます。
逃げられない、という状況になってしまった場合には、ザックを背負ったままうつぶせになり、両手で首を守ってください。
ザックがプロテクター代わりになりますので、露出している部分で一番弱い首をガードします。
もし、ひっくり返されてしまった場合にはできるだけ体をまるめるようにして腹部を守ってください。
クマは防御本能からの攻撃をしていますので、こちらが攻撃を返してこないということがわかれば長くても数分間耐えれば去っていきます。
とはいえ、数分でも生きた心地がしないほど恐ろしいでしょうし、たとえ一撃でもかなりのケガを負うことを考えると、これはあくまでも最悪の想定として頭の片隅に入れておく感じでよいかとは思いますが…。
まとめ
クマには実際に出遭いたくはないですが、どんなに気をつけていても、彼らの住処である山を歩く以上は出遭ってしまう可能性があります。
なるべく危険を回避して遭遇率を下げる方法と、出遭ってしまったときの対処法をお話ししました。
遭遇率を下げる方法は、
- クマの出る山域では熊鈴、ラジオ等を携行
- 事前に最新のクマ出没情報を見ておく(状況次第では行先変更する)
です。
そして、万が一出遭ってしまったときの対処法は、
- 静かに
- 背中を向けずに
- 後ずさりしながら距離を取る
です。
至近距離での遭遇で攻撃を避けられない状況のときは、
- 地面にうつ伏せ
- 両手で首をガード(仰向けの場合は腹部をガード)
- 攻撃が終わるまで頑張って耐える
です。
最後のは、できれば想像の中だけにしておきたいですね。
少しずつ知識を身につけて、できるだけ安全に登山を楽しみましょう。
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