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北アルプス玄関口、活火山の焼岳へ。山でのトイレ問題。

焼岳体験談

こんにちは。うりぼうです。

山に行くとどうしても困ることが多いトイレの問題。

有名な山や、人がたくさん登るところにはトイレを設置してくれているところもあるのですが、里山だとない場合も多いです。

女性は特に気にされる方も多いと思います。

今日はそんなことに関する話を。

山頂から噴煙の上がる活火山、焼岳へ

焼岳(やけだけ)は、長野県の北アルプスの玄関口にある標高2393mの活火山です。

噴煙の上がる山頂は、ガスが濃く危険なところは立ち入り禁止になっていたりもします。

登山道から外れなければ安全に登ることができ、穂高連峰や上高地を見渡すことができることでも人気のある山です。

上高地側からのルートと、新中の湯温泉駐車場からのルートがありますが、今回は新中の湯温泉側から登り始めることにしました。

前日から現地入りして朝6時に駐車場に着くと、駐車場にはすでに数台停まっています。

ここで、トイレがないことに気づきました。

登る前に一応行っておきたかったな、と思いましたが、簡易トイレを持っていたのでそこまで気にはしていませんでした。

目安のコースタイムは往復6時間ほど、途中にもトイレはないとのことでしたが、どこかのタイミングで藪に隠れて簡易トイレを使えば大丈夫だろう、と思いました。

火山ガスの中を歩く

準備をしているうちにも続々と登山者の車が増えてきたので、さっさと歩き始めます。

人気の山だけあって、道はしっかりとしています。

気持ちよく歩き、少しずつ高度を上げていきます。

やがて、森林限界を迎えて大きな青空の下、低い茂みの中を縫うように続く登山道から山頂方面を見上げると、火山ガスがモクモクと山肌のあちこちから噴き出しています。

噴煙

(あんなところを歩いている人たちがいる)

自分もこの後あのガスのそばを歩くのだと思うと、ちょっと怖いような、楽しいような気分になってきます。

ザックの腰ベルトをしっかり締め直して、むき出しの岩場を歩くために備えます。

ガスがあちこちからシューシューと勢いよく出ています。

ガスの噴き出し口の周りは、黄色っぽく固まっていました。茶色や白の塊もあります。

硫黄臭の中を歩くような状態になってきました。

全身温泉卵のようなにおいがついてしまうなぁ、と考えながら、なんとか無事にガスの噴き出し口の近くを通り過ぎて、山頂へ。

目の前の穂高連峰に圧倒されたあとは、梓川の流れる上高地を見下ろします。

山頂ではたくさんの人がお弁当を広げたり写真撮影をしたりと思い思いの時間を過ごしています。

私も少し景色を眺めてから、お昼にすることにしました。

今日はお湯を沸かしてコーヒーを飲もうと、ドリップコーヒーを持ってきています。

お昼はカップ麺です。

お腹が空いていたのでカップ麺はペロリとたいらげ、水もたくさん持ってきていたので少しでも重量を減らそうとコーヒーは2杯飲みました。

おやつも少し食べて、すっかり満喫してしまいました。

コーヒー

時計を見ると、登山開始から4時間ほどになっていました。

(トイレ、行きたくなってきたな…)

岩だらけの山頂にはもちろん身を隠すような場所はありません。

人気の山だけに、平日でもたくさんの人たちもいます。

駐車場と反対方向へ少し歩くと山小屋があるということでしたが、片道40分かかるようです。

往復で一時間半近くかかるくらいなら、速足で下山してからトイレに行けば方いいか、最悪下山途中で簡易トイレを使える場所なら使えばいいし、と、駐車場方面にそのまま下りることにしました。

場所もタイミングも、ない!

なるべく気持ちを他のことに逸らしながら、速足で下り始めます。

同じ方向に下山する人、下から登ってくる人、とにかく人がたくさんです。

どっちにしろ森林限界より上では、藪に隠れたとしても上からは丸見えになってしまいます。

とにかく下へ、下へ。

ぐんぐんと高度を下げていきます。

(調子に乗ってお昼にコーヒー2杯も飲まなければよかったよ…)

後悔してもトイレは近づいてきてはくれません。

いつしか気持ちを逸らしてなんとかなっていた尿意が、脳内の90%を占めるくらいにまでなっていました。

(トイレトイレトイレトイレ!!)

爆発寸前です。

駐車場が遠目に見えてきたときには、尿意以外のことはなにも考えずに走り出していました。

すれ違う人たちには、きっと奇妙に思われていたことでしょう。

もはや腹痛にまで発展してしまった尿意とともに車に転がり込み、はやる気持ちで簡易トイレを出す時間も地獄のような思いを味わいながらも、次の瞬間、ようやく解放されました。

(よく頑張った…よくここまで耐えた…)

登山でこんな言葉が出てくるとすれば、普通なら苦労して登った山の山頂で味わう感動の言葉かと思いますが、私においては今までのどんな登山よりも今回の尿意との闘いへ対する労いの言葉でした。

しばらく何も考えられず放心状態で荷物の整理などしていましたが、どうもまたトイレに行きたいような感覚になってきました。

(今解放されたばかりなのに…)

仕方なく、どこかトイレのある場所へと車を出発させます。

しばらく行くと、上高地の手前の沢渡(さわんど)というところにお土産屋さんがありました。

無事にトイレを借りて、お土産を買って出ました。

(さて、ゆっくり帰るかな)

高速に乗ると、またもや尿意が。

(おかしいな、下りてきてからは飲み物もそんなにのんでいないのに)

サービスエリアによって、トイレを済ませます。

東京に着くまでに、何度もトイレ通いをしてしまいました。

家に帰ってからも微妙な腹痛と、尿意ばかりで少ししか出ない、という状態が続きました。

翌日職場の同僚にそんな状態が続いているということを話すと、膀胱炎だよそれ、と言われ、慌てて病院に行きました。

まさか、登山で膀胱炎になってしまうとは…。

今回の教訓は、

  • トイレ事情は念入りに調べる
  • 簡易トイレがあると助かる命もある
  • 我慢はほどほどに

です。

あと、私の場合だけかもしれませんが、お昼にコーヒーを飲みすぎないように、もかな。

 

うりぼう

登山歴15年ほどの40代女性です。年間10~20回ほど山を歩いてます。

これまでに、200座前後登りました。(同じ山含む)

関東在住なので関東近郊の山に登ることが多いですが、たまに長野、岐阜、新潟辺りまで行くこともあります。

時間と休みの不規則な介護福祉士です。その不規則さをフル活用して平日の山を堪能しています。

登山が初めての方に山の楽しさを伝えるために、このサイトで情報を発信しています。

ぜひ読んでもらって、楽しい登山をしてください。

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